私は生まれてから高校生の時代まで18年間、秩父で過ごした。家は十三番慈眼寺の前にあったから、中学生まで十三番の庭で遊んだ。大学生の時には、休みで仙台から帰ると、一人で仏様(仏像)などが納められている石造りの倉庫の扉に向かって軟式ボールを投げて暇を潰したりした。だから、十三番のことはよく知っている。小学生の時には、友達と十四番今宮坊で遊んだ。二十三番音楽寺と二十八番橋立堂には小学校の遠足で訪れた。中学校の同級生には十二番野坂寺の娘がいた。馬場通りを秩父神社の方に向かって歩いて行く時に、必ず右手の十五番少林寺を眺めた。
 しかし、未だ三十四観音の巡礼をしたことはない。兄は、歳をとってから団体バスに乗って周ったらしい。私には信仰心がないから、未だ巡礼する気持ちにはなれない。
 この本は、多少昔の市街地の事も書かれているだろうと予想して、ヤフオク!で落札した物である。しかし、ざっとみたところ、期待とは異なり、内容は三十四ヵ所に特化した物のようである。時間ができたら、もう少ししっかり見たいとは思う。何か面白いことが見つかるかも知れない。

裏表紙
裏表紙
目次
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奥付
奥付